周囲に知られずに任意整理できるか
1 周囲に知られずに任意整理ができるか否か
結論から申し上げますと、任意整理は周囲に知られずにできることもありますが、周囲に知られる可能性がまったくないともいえません。
任意整理は裁判所を介さずに、貸金業者等と直接交渉をしますので、一般的には周囲の方に知られることはありません。
ただし、滞納が始まってから長期間が経過している場合、貸金業者等が訴訟を提起するということもあります。
このような場合、同居しているご家族の方などに、任意整理をしていることを知られてしまうということもあります。
以下、任意整理の流れと、周囲の人に知られ得るケースについて詳しく説明します。
2 任意整理の流れ
任意整理をする場合、まず弁護士に相談をし、どの貸金業者等に対して任意整理をするか等について方針を決めます。
任意整理をすることが決まったら、弁護士と委任契約を締結します。
弁護士との相談は秘密が厳守されるため、基本的に周囲の方に知られることはありません。
弁護士に任意整理を依頼すると、まず弁護士から貸金業者等に対して受任通知という書面が送付されます。
受任通知を送付すると、貸金業者等から取引履歴が提供されるので、正確な債務額を把握することができます。
その後、弁護士費用の積み立て等が終了しましたら、弁護士が返済条件等について貸金業者等と交渉をし、和解書を締結して終了となります。
貸金業者等とのやり取りは弁護士を通じて行われますので、周囲の方に知られることはありません。
3 任意整理をしていることを周囲の人に知られ得るケース
滞納が始まってから長期間が経過している場合や、弁護士に任意整理を依頼して催促が停まってから長期間が経過している場合、貸金業者等は訴訟を提起することがあります。
訴訟が提起されると、通常であれば、裁判所から債務者の方のご自宅へ訴状が送付されます。
このとき、同居している方がいると、裁判所から訴状が届いたことを知ってしまい、ここから借金をしていることや、任意整理をしていることを知られてしまう可能性があります。
また、任意整理を終えると、和解書の内容に従った返済が必要となります。
このとき、滞納をしてしまうと、貸金業者等から債務者の方へ連絡がなされることがあります。
もし債務者の方へ連絡がつかない場合、勤務先へ連絡がなされてしまうということがあり、これによって周囲に方に任意整理をしたことを知られるということがあります。